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悲劇の皇子「有馬皇子」物語り

 

”限りなき碧き海よ空よ光よ
  ここは常春の國だ
        湧きき出る湯の國だ”

 これは、斉明紀三年(西暦六百五十七年)九月、
 有馬皇子が「牟婁の温湯」(現在の白浜湯崎温泉)に
 湯治しにお越しになった時の言葉です。
 更に皇子は「彼の地は、ただ訪れるだけで病が自ずからよくなった」と
 当地を賞讃されたのです。
  しかしながら、中大兄皇子と蘇我赤兄の謀略にのせられて、
 あたら華の蕾のうちに、悲劇の最後を遂げられた皇子の生涯を
 思うとき、誰しも一掬の涙を禁じ得ぬものがありましょう。


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